夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦

この本は、京都の街を舞台にストーリーが展開し、実在するお店もあるし、実在するけれど、そこをモデルにした架空のお店も登場します。

さらには、ガイドブックには掲載されていないと思うけれど、京都らしさが感じられる、そんな場所も出てきます。

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https://promo.kadokawa.co.jp/feature/yoruhamijikashi/
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京都市中京区先斗町通ほか

お店は実在する?

横浜在住の友人からのメールに、こんな内容のことが記されていました。

「夜は短し歩けよ乙女という本を知ってる?

そこに、いくつかのお店が出てくるんだけど、それは実在するのかな?

今度の京都旅行は、そこに行ってみたいんだけど」

聖地巡礼

この本を手に持って、主人公の「黒髪の乙女」になった気分で、京都の街を歩くのも楽しいかも。

それでは少し、本の最初の部分を紹介しておきましょう・・・

夜は短し歩けよ乙女[抜粋]

その夜、私は単身で魅惑の大人世界へ乗り込んでみたいと思いました。

ようするに、先輩方へ遠慮することなく無手勝流にお酒が飲みたかったのです。

通りかかった四条木屋町の界隈は、夜遊びに耽る善男善女がひっきりなしに往来していました。その魅惑の大人ぶり!

この界隈にこそ「お酒」が、めくるめく大人世界との出逢いが私を待ち受けているに違いないのです。そうなのです。

私はわくわくして、老舗喫茶「みゅーず」の前で二足歩行ロボットのステップを踏みました。

みたらし団子、発祥の地

そして、「古本祭り(正式には、下鴨納涼古本まつり)」の開催場所として紹介されている「糺の森(ただすのもり)」は、世界遺産に登録されている「下鴨神社」の参道です。

下鴨神社の境内に、「御手洗池(みたらしのいけ)」があり、この池の水泡を模して「みたらし団子」が作られたと言い伝えられています。

加茂みたらし茶屋

神社の東側を通る下鴨本通をはさんだ向かいにある「加茂みたらし茶屋」が発祥で、串に団子を5つ、一番上の団子だけが少し大きく、そして少しだけ離れているのが特徴です。

下鴨神社みたらし祭

この「御手洗池」では、土用の丑の日に、「下鴨神社みたらし祭(足つけ神事)」が行われ、みたらし団子も奉納されます。

このお祭りには、一般の人も参加でき、湧き水のために夏でも冷たく、池に足をつけ灯明をお供えし、その後に御神水を頂き、無病息災、延命長寿をお祈りします。

夜は短し歩けよ乙女のラストシーン

作者の森見登美彦さんが京都大学農学部卒とのことで、京大近くにある喫茶「進々堂(京都市左京区北白川追分町88)」がラストシーンに出てきます。

創業者がフランス文化に触れ、その思いがフォルムとなり、装飾デザインに生かされた、創業1931年というカフェです。

年季の入った重厚な濃茶色の長机と長椅子は、人間国宝に認定された黒田辰秋の若き日の作品。

京大の学舎が点在する百万遍(ひゃくまんべん:地名)にあり、今も京大生や教授が通い詰め、ゼミにも利用されていて、京大とは深い縁がある場所でもあります。